2009年10月14日水曜日

ファイル共有ソフトと原爆と人間の性(さが)



原子力技術は周知の通り「人類に有益な物」と「人類に機危機」をもたらす両極端な代物です。悪意を持つある特定の人間を除き、誰一人として原子力技術を万人が自由に使用、応用、乱用可能な世界を望んではいないと思います。

研究者は「有益」と「不利益」の天秤をいちいち考えていたら、新しい技術を生み出す事など出来ないという人もいるかも知れません。初めは「不利益」もあると判っていたが「有益」なものの方が優先と考えて世に送り出した物だと思います。
これは「必要悪?」「人間の矛盾した本質?」「探求者の性(さが)?」で済まされる話では無いような気がします。
共有ソフトに関しての裁判は「著作権侵害の幇助犯」としての争点が一番になっている様ですが、著作権法の適用範囲が共有ソフトの作成者にまで問うことができる法律ではないため簡単な解決は難しいと思います。

そもそもの問題は、直接違法行為をする人を取り締まる事に手間がかかるからソフトの作成者にさかのぼり責任が明らかになれば、同じ様な事が繰り返されにくくなると考えて元を断つための行動の様なのですが、今の日本の法律には人間の性(さが)を調整する機能を持ち合わせていないから無理だと思います。法律家の方に怒られてしまいそうですが、これは明らかだと思います。

それこそ、セキュリテーソフト会社に自動で「ファイル共有ソフト」を排除させる機能でも搭載してもらうしかないでしょう。(これも現実的ではないとは思いますが)
共有ソフトの技術を探求している研究者はそのソフトの技術が究極に悪用されることによりどのような世界が起こりうるのかを検証した事はあるのでしょうか?仮に検証があったとしても、無かったとしても結果は大きく変わらないというならばこれは、正に人間の性(さが)の一つなのだと思います。

例えれば、原子力を誰でも簡単に利用できる革新的技術を発明し、全く無秩序に世界中に広める事を「研究の自由」として肯定するならば、また規制する事がなされない場合。「ファイル共有ソフトと核兵器には差はない」と言える様な気がします。この場合、テロ行為として、全く筋違いの拘束をされるかもしれません。この意見に反論する方は「ファイル共有ソフト」と「原子力」では危険性に雲泥の差があると言われるでしょう。
私は、それは今現在の価値観での比較よるものだと思います。「情報の共有」という利便性の裏世界で「情報無秩序化」が氾濫することは「原子力」に匹敵する人類の驚異になるという事を宇宙時代に突入する近未来は痛感することになると思います。
これからの時代の人類の課題は人間も性(さが)をもある程度調節出来る制度システム」を早急に構築することだと思います。
「イタチごっこ」という言葉が永久不滅とならない事を願っています。根本は人類の存在が「必要悪」な事は重々承知の上で・・・・・。
K

2009年10月7日水曜日

長期優良住宅制度は「光明」?「災い」?

長期優良住宅制度を「光明」と見るか「災い」と見るか

<止められない流れ>
時代の流れは、止められない事柄もあります。長期優良住宅制度は、中長期的なストック型の住宅政策の延長として、また大不況立ち直りの救世主という位置付けになっています。更に政権交代によって国際的な環境問題に対応すべく、省エネを中心とした国際公約に盛り込まれた部分ともリンクをしており短期的な流れ、中長期的な流れ、国際的な約束に対応しなければならない制度なのです。

<特別な事ではなく、当たり前になる制度>
すなわちこの建築業界にいる限り、避けて通れない課題でもあり当分はマスターする事でそれなりの武器になると思われます。数年中には、武器にはならず「持っていて当たり前」のスキルとなるはずです。工業化製品を多用した住宅メーカーさんは確かに有利です。「災い」と見なした段階で負けです。何故なら建築主になる一般の方の認知度が非常に高いのです。消費者にとって大きな金銭的メリットがあるからです。では、どうすれば良いの?と言われる事でしょう。なんとしても「光明」とさせねばなりません。

<特別ではないという、とらえ方>
この制度の中身は、昔の住宅金融公庫融資の基準、現在は住宅性能評価の基準(今では、フラット35の基準としても一部採用されています)からの発展の延長になります。それに、竣工後の保守管理まで見据えた制度です。決して最近つくられた制度・基準ではありません。順を追って理解する事ができる内容です。

<メニューの大更新をしましょう>
今までの標準メニューと特別メニューの見直しが必要です。それには、知識(制度理解、営業的手法)と技術(工法,現場研修)を総点検して、今までの特別メニューを標準メニューに組み込む努力が必要です。その際一番大切な事がコストのシミュレートです。単なる建築費の試算だけではだめです。営業的な考え方、竣工後の長いおつき合いについても考える事が大切です。

<総合サポートという選択肢>
プロのためのサポートがある事をお知らせします。

サポートのメニュー例
1.制度のガイダンス(複数名による講習会)
2.個別にガイダンス(より具体的な個別講習)
3.技術的アドバイス及びコストのシミュレートのアドバイス
4.具体的案件の運用サポート(契約、手続き、工事アドバイスまで)
5.現場でのガイダンス(個別案件ごと)
6.上記2.~5.までのセットメニュー

詳細のメニューを作成中です。近日弊社ホームページで公開予定です。

K

2009年10月5日月曜日

現代の「提案無き否定」


「環境とコスト」提案無き否定という名の「陰謀」?

「高速道路1000円でCO2排出量が年間204万トン拡大」という報道が高らかに報じられている。その内訳の大半が特別割引をきっかけに旅行をした新規誘発によるもので192万トンだそうだ。
この不景気の中、皆が旅行をすれば国際公約した環境改善目標を崩壊させると言わんばかりだ。 では、単に高速料金を高くして、皆が高速道路を利用しなくなれば環境改善ができるのですか?と聞きたくなる。

その先の話や提案が無いのは、明かな情報の欠落報道であり、情報の発信元や記事を書いている人達は正常な感覚をもっておられるのでしょうか。

コストがかからないと言うことは、その分何かに節約できたお金をかける事ができる様になるということではないか?例えば、「無料化によるメリット」を「いっそうの環境対応技術や市場への投資」を積極的に返還する事ができるはず。

仮に高速道路1000円(0円でも構わないが)とせず従来の料金体系で得たお金を環境改善へ向けた事業に使い、効果がどの程度あるなどの試算でもなければ比較のしようがない。

恐らく、高速料金を環境改善へ向けるなどという選択肢は今までの勢力(自民党や官僚)にはなかったのではないでしょうか。高速道路を造り続け、天下り先を確保する事が主目的だったからでしょう。(そのために都合の良い法律を作ってきたのですから)

今回の「高速道路料金無料化」の課題をきっかけに「提案無き否定」は「実り無き否定」と同義とみなした方が良いと思う。

採算が合わない道路を造り続けてきて賛否両論なのに、もし仮に採算が合う通行量があったら環境はどうなっているのでしょう?更に、走る高速道路すらなかったらどうなの?という質問もしてみたい今日この頃です。
結末が「尻切れトンボ」の映画ではないのだから・・・。



K

2009年10月1日木曜日

「高齢者大国」という積極的なソフト戦略



「少子高齢者化」が必至の日本の目指すべき課題の一つに「国際標準を先導できるインターフェイス」があると思います。

ユニバーサルデザインという言葉はかなり昔から唱えられ意識しない部分においても隠れた利便性として採用されています。

ちなみにユニバーサルデザインの定義は
どんな人でも公平に使えること 使う上で自由度が高いこと
使い方が簡単で、すぐに分かること 必要な情報がすぐに分かること うっかりミスが危険につながらないこと
身体への負担(弱い力でも使えること)
接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること
高齢者側から見たインターフェイス
となっています。

単なるユニバーサルデザインではなく「高齢者の使い勝手」から
応用させ、若い人でも快適に対応させる研究の流れが大切だと思います。


現在の日本の研究の流れは、健常者や若い人の利便性と身障者や高齢者の使い勝手の折り合いの部分に重点を置き、実際ダブルスタンダードの様なハードが多くを占めています。

若い人達に売れている物は、若い人達ためだけのインターフェイスになっている様な気がします。

とかくハードのコストに注目が集まっていますが、今こそ「高齢者大国」を見据えた積極的なインターフェイス(ソフト)の提唱と普及が必要です。

将来日本が国際社会で生き残るポイントの1つではないでしょうか。



K